2015/01/06

今月の表紙画像(2015)

2015年 今月の表紙

・ 1月の表紙画像

寒川神社の武佐弓祭 2015.01.08
(寒川町・寒川神社の武佐弓祭)

 武佐弓(ムサユミ)祭は、新年に寒川神社(相模国・一ノ宮)で行われる神事。一般には、歩射(ブシャ)・ムシャ・ホウシャ・ビシャ・的射(マトイ)などとも呼ぶことが多いい。
 
 いずれも破魔(邪気払い)と、年占(その年の吉凶を占う)の意味を込めた神事で、寒川神社では、毎年1月8日に行われる。

 鬼(甲・乙・心の3文字を合体した変字)と書かれた的を、二名の神職が交互に射る。 矢の当たった本数やあたり具合によってその年の吉凶を占うが、今年の景気は、「総体的にはそれほど急上昇の景気回復は見込めない」との事のようだった。
 神事が終わると、的の左右に懸けられていた大麻(アサ)が、安産などの御守・縁起物として参拝者に頒けられる。


・ 2月の表紙画像

世附の百万遍念仏 2015.02.15
(山北町・世附の百万遍念仏)

 「世附の百万遍念仏」は、西丹沢の奥山・旧三保村世附の能安寺で、毎年2月15日から17日の3日間行われてきた念仏講。
 旧世附集落に600年前から伝承されているともいわれ、昭和49年の三保ダム(丹沢湖)建設により世附地域も水没し、一時中断していたが、3年後の昭和52年に、集団移転した先の一つ山北町向原「能安寺」で復活、現在は2月中旬の土・日曜日の2日間に保存会により継承されている。

 滑車に取り付けた9mほどの長さの大数珠を一人ずつ交代しながら回すもので、百万遍念仏としては全国的にも珍しく、神奈川県の「無形民俗文化財」にも指定されている。
 先祖の霊を慰め、地域の安全祈願と、悪疫退散を願い、念仏のあとには、神楽(獅子舞・遊び神楽・鳥指しの舞)が演じられる。


・ 3月の表紙画像

弘法山公園の桜 2015.03.30
(秦野市・弘法山公園の桜)

 弘法山は、秦野市東部にある標高235 mの山。古くは弘法大師がこの山で修行を行ったとされ、山頂には大師堂、鐘楼、大師由来の乳の井戸(湧水)がある。

弘法山(こうぼうやま)から、権現山(ごんげんやま)、浅間山(せんげんやま)に至る丘陵一帯は、「弘法山公園」と呼ばれ、県立自然公園にも指定されていて、山頂周辺からは大山をはじめ、東丹沢の山々、平塚や大磯方面、相模湾らを望むことができる。
 また春には、2000本以上の桜が咲き誇り、桜の名所としても知られ、「かながわの景勝50選」、「かながわの花の名所100選」にも選ばれている。


・ 4月の表紙画像

辻堂海岸・浜昼顔 (2015.04.29)
 (藤沢市・辻堂海岸の浜昼顔)

 ハマヒルガオは、ヒルガオの仲間で海岸の砂浜に自生し、神奈川県下でも湘南海岸の辻堂・茅ヶ崎海岸や平塚市の花水川河口付近で、5月~7月頃にかけ可憐な花を見ることが出来る。

 今年は、4月になり暖かい日が続いたためか、例年より少し早く4月の中旬になりポツポツと咲き始めた。 この花が咲き始めると湘南の海も初夏を迎え、サーファーや海岸で遊ぶ人々で、徐々に賑やかさが戻ってくる。



・ 5月の表紙画像

国府祭/座問答 2015.05.05
(大磯町・国府祭/座問答)

 五月五日の「端午の節」に、大磯町・神揃山(かみそりやま)/大矢場(現・馬場公園)において相模国の六社(寒川神社・川勾神社・比々多神社・前鳥神社・平塚八幡宮・六所神社)の神々が集い、相模国の天下泰平と五穀豊穣を祈願する国府祭(こうのまち)(神奈川県指定無形民俗文化財)が行われる。

 神揃山で行われる「座問答」は、昔、相模国の成立の際、「相武(さがむ)」の寒川神社と「磯長(しなが)」の川勾神社が、主導権争いをした故事を神事として、再現されたものと紹介されているが、その真偽は不明である。
 一ノ宮・寒川神社と二ノ宮・川勾神社が、神座を象徴するとされる「虎皮」を互いに推し進め、この論争の仲裁役である三ノ宮・比々多神社の宮司による「いづれ明年まで」の言葉で終了となる。


・ 6月の表紙画像

開成町・紫陽花 2015.06.13
(開成町・あじさい祭り)

  梅雨の晴れ間、開成町の水田地帯に、町の花でもある「あじさい」の花が咲き誇る。
 昭和58年ころより農道や水路、あぜ道沿いに約5000株のあじさいが植えられ、「あじさいの里」として知られるようになる。

 昭和63年には、「あじさいの里」を会場に、第1回の「開成町・あじさいまつり」が開催され、以来、今日まで毎年、6月上旬~中旬の約1週間にわたり、「あじさいまつり」が行われている。



・ 7月の表紙画像

小田原・寺山神社の鹿島踊り 2015.07.19
(小田原市・寺山神社の鹿島踊り)

 小田原市・根府川の寺山神社に伝わる「鹿島踊り」は、「疫病退散」、「五穀豊穣」、「海上安全」などを願い、毎年、7月の第3日曜日の例大祭に踊られる。

 かつては、地区の長男で大人として認められた若者(十五歳頃より)だけが、踊りに参加することが出来たが、現在は少子化により、子供会から中高年まで、幅広い参加により保存されている。


 県下でも小田原市以西の海岸線に沿うように一部の地域にのみ伝承されていて、神奈川県の「県指定無形民俗文化財」にもなっている。


・ 8月の表紙画像

座間・ひまわりまつり 2015.08.15
(座間市・ひまわりまつり)

 座間の「ひまわりまつり」は、平成5年から市の花である「ひまわり」を荒廃地、遊休農地対策の一環として、景観植栽を行い「ひまわり広場」として公開したことが始まりと言われる。

 平成6年には「かながわの花の名所100選」にも選ばれ、毎年7月下旬(栗原会場)と8月中旬(座間・新田宿会場)に、「ひまわりまつり」を開催しているが、年々訪れる人も多くなり、その規模も拡大している。


・ 9月の表紙画像

伊勢原・日向の彼岸花 2015.09.21
(伊勢原市・日向の彼岸花)

 伊勢原の大山山麓に、里山の原風景を僅かに残す日向の棚田がある。 稲の刈り取りが始まる秋の彼岸の頃、山里は彼岸花の赤い色に染まる。

 日向川沿い周辺の坊中・藤野・洗水(あろうず)地区などの自生地を含め、彼岸花の群生地として「かながわの花の名所100選」にも選ばれている。

  年々、棚田の休耕田が増え、かつての棚田の風景が失われて行きつつある中で、この時期に訪れる人は多くなり、その結果、地区の生活道路である細い道は車で渋滞し、路上駐車、ゴミ・吸殻のポイ捨て、アゼ・耕作地の踏み荒らしなどのマナー悪化が問題となっている。


・ 10月の表紙画像

川崎市・初山の獅子舞 2015.10.04
(川崎市・初山の獅子舞)

 初山(はつやま)の獅子舞は、川崎市宮前区の菅生(すがお)神社の例祭で奉納される一人立三頭形式の獅子舞で、神奈川県の「無形民俗文化財」にも指定されている。

 この獅子舞の由来については、詳しいことはわかっていないが、現存する獅子頭の作られた年代から推測し、江戸時代初期にはすでに舞われていたものと考えられている。

 一人立三頭形式の獅子舞は、神奈川県下では9ヶ所ほど、川崎市内でも幸区・小向、多摩区・菅で保存されている。 「初山の獅子舞」は、「菅の獅子舞」と共通するところも多いいが、「菅の獅子舞」は比較的頭を動かすことが多く、「初山の獅子舞」は地を這うようにして舞うのが特色だともいわれている。 年々、後継者不足などの問題で保存、伝承に苦労している保存会も多いいと聞く。


・ 11月の表紙画像

山北・室生神社の流鏑馬 2015.11.03
(山北町・室生神社の流鏑馬)

 室生神社(むろうじんじゃ)の流鏑馬は、鎌倉幕府創成期における故事を起源とし、毎年11月3日の室生神社の例大祭に流鏑馬・神事として氏子・農民たちにより受け継がれてきたと言われ、神奈川県の「無形民俗文化財」にも指定されている。

 流鏑馬は、鎌倉時代以来、武士の馬とも言われた、「木曽馬」の系統馬を使用。 「騎射」は2頭立てで行われ、露払い役の先馬に続き、後馬の騎乗者が、一の的、二の的、三の的と順に射ながら馬場を走り抜けていく。

 近年、県下における祭りも、ともすれば観光イベント化した感が見られるような中で、ここ室生神社の流鏑馬は、地域の伝統的祭りの様相を残していると言えるだろう。


・ 12月の表紙画像

三浦・大根干し 2015.12.20
(三浦市・三浦海岸の大根干し)

 師走(12月)に入ると、三浦半島の三浦海岸に「大根干し」の風景が見られるようになる。

 三浦半島周辺は、国内有数の大根の産地でもあり、かつては「三浦ダイコン」の名で知られた真っ白で首の部分が細くて尻に向かって太くなる大物の品種が主流であったが、現在は生産効率の低さや、消費者のし好変化などにより、「青首ダイコン」が生産の9割以上を占める主力品種になっているようだ。

 夏には海水浴客で賑わう砂浜も、この時期には、漬物用のダイコンが干される風景を見ることができ、三浦半島の冬の風物詩にもなっている。 1月下旬頃までの約1ヶ月以上を東京湾から吹く潮風にさらされることで甘みを増した天日干し大根は、漬物にされ美味しい沢庵(たくあん)となる。