■ 三戸のお精霊流し
毎年8月16日の早朝、三浦半島(三浦市初音町)の三戸浜では、「三戸のお精霊流し」として知られる「盆送り」の行事が行われる。
全長5~6m、わらで作られた大きな3隻のお精霊舟に、各家々でお盆の仏前にそなえた供物をのせて飾り、沖合いまで子供たちが泳いで曳きだすのが習いとされている。
お盆でお迎えした各家々の「お精霊」(この一年間で新たに亡くなられた方々の霊や祖先の霊)を西方浄土に返す「盆送り」の行事がしめやかに行われる。
平安時代からの民間信仰の様式を残すともいわれ、現在でも日々の生活のなかに受け継がれ、「日本の原風景」を感じさせる素朴さがある。
「神奈川県無形民俗文化財」に指定され、「かながわの祭り50選」にも数えられている。
毎年8月16日の早朝、三浦半島(三浦市初音町)の三戸浜では、「三戸のお精霊流し」として知られる「盆送り」の行事が行われる。
全長5~6m、わらで作られた大きな3隻のお精霊舟に、各家々でお盆の仏前にそなえた供物をのせて飾り、沖合いまで子供たちが泳いで曳きだすのが習いとされている。
お盆でお迎えした各家々の「お精霊」(この一年間で新たに亡くなられた方々の霊や祖先の霊)を西方浄土に返す「盆送り」の行事がしめやかに行われる。
平安時代からの民間信仰の様式を残すともいわれ、現在でも日々の生活のなかに受け継がれ、「日本の原風景」を感じさせる素朴さがある。
「神奈川県無形民俗文化財」に指定され、「かながわの祭り50選」にも数えられている。
午前6時前、「お精霊流し」の行事は、「お精霊舟」を造るところから始まる。
船造りは、それぞれの地区の人々の共同作業で、年配者から若い世代へと自然な形で伝承されていく。 三戸浜の3地区のそれぞれの前浜で、長さ5~6m、竹で組まれた船の骨格にワラを敷き詰めた「お精霊舟」を造る。
午前7時30分頃、ワラ舟がようやく出来上がったところで、お盆の仏前におそなえされていた供物が、各家々から浜へと持ち寄られ、船へと乗せられていく。
飾りつけは、子供たちも手伝う。 大人たちに混じり、この行事に参加できることが楽しそうである。
午前8時過ぎ、飾り付けの終わった「お精霊舟」にお経が唱えられる。 無事西方浄土へと帰られ、来年もまたお精霊をむかえることができるようにとの願いを込め、それぞれが手を合わせる。
午前8時過ぎ、飾り付けの終わった「お精霊舟」にお経が唱えられる。 無事西方浄土へと帰られ、来年もまたお精霊をむかえることができるようにとの願いを込め、それぞれが手を合わせる。
読経が終わると、お精霊を乗せた「お精霊舟」は、それぞれの地区の子供たちにより、沖へと送られていく。
大人たちにより砂浜から押し出され、海に浮かんだ「お精霊舟」を、数人の子供たちが船に結んだそれぞれのワラ縄を引くようにして沖へと泳いで行くのである。

船は、浮き代わりの木板にそれぞれワラ縄で結ばれていて、少年達それぞれの先祖の霊を乗せたワラ舟を、沖へ沖へと誘う。
そこには、かっての日本の村々でみられた祖霊信仰の伝承と、大人と一緒に行事の重要な役割の一端を担うことにより、子供から大人の仲間入りへの第一歩として認められるための通過儀礼の役割をみる思いがする。
そこには、かっての日本の村々でみられた祖霊信仰の伝承と、大人と一緒に行事の重要な役割の一端を担うことにより、子供から大人の仲間入りへの第一歩として認められるための通過儀礼の役割をみる思いがする。

そして成仏した魂(精霊)を、毎年お盆になると、あの世(極楽浄土)から迎え入れ、そして祖霊(先祖の霊)に礼をつくし、子孫の繁栄を願い、かってこの世で過ごした思いを味わってもらうための時間と空間を共に過ごす時でもある。
「盆送り」の朝、これからも極楽浄土での安らかなるいとなみを願い、この(現世)からあの世(極楽浄土)へと再び精霊を送り出すのである。
およそ30分、無事大役を終えた少年達が、すがすがしい顔で浜へと帰ってきた。 迎える母親たちも、我が子のたくましく成長した姿に、ねぎらいの言葉をかける。
以前は、海の彼方へと消えて行った「お精霊舟」も、昨今は環境問題もあって再び回収され処分されると言うことらしい。
以前は、海の彼方へと消えて行った「お精霊舟」も、昨今は環境問題もあって再び回収され処分されると言うことらしい。
■ 参考メモ
・ 名 称 : 三戸のお精霊(しょうろ)流し(かながわの民俗芸能50選)
(神奈川県指定無形民俗文化財)
・ 期 間 : 8月16日頃、 午前八時頃~
・ 場 所 : 三浦市初音町 三戸浜海岸
・ 交 通 : 京急線三崎口駅から徒歩20分
京急三崎口駅から「三戸浜」行バス、 終点下車、徒歩3分。
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・ 期 間 : 8月16日頃、 午前八時頃~
・ 場 所 : 三浦市初音町 三戸浜海岸
・ 交 通 : 京急線三崎口駅から徒歩20分
京急三崎口駅から「三戸浜」行バス、 終点下車、徒歩3分。
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